育児記録

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赤いピンと緑のピン

これほど公園へ通うようになるとは、独身の頃には想像もしていなかった。今日も息子を連れ、近所の公園を目指す。ふと、スマートフォンで地図を開く。画面には、かつて「お気に入り」として登録した赤いピンが点在している。地元で人気のラーメン屋。路地裏の...
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おじいちゃんの家か、おばあちゃんの家か

「おじいちゃんの家」か、それとも「おばあちゃんの家」か。実家へ向かう車中、そんな定義のゆらぎに、つい考え込んでしまう。父という家長への敬意か、それとも家を守ってきた母への親しみか。そんな理屈を頭の中で並べていると、助手席の妻が、スマホから目...
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サイレンの温度

散歩の途中、遠くでサイレンが鳴る。 「ピーポー、きた!」 弾んだ声で指をさす息子。視線の先には、赤いランプを光らせて走る救急車。大人の私にとって、その音は日常の裂け目のようなものだ。誰かが怪我をしたのか、急病か。その切実さを知っているから、...
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健康診断、異常あり

健康診断の結果が返ってきた。紙の真ん中あたりに、少し主張の強い文字で「要検査」と書いてある。薄々わかってはいた。数字の並びを見なくても、だいたい予想はついていた。それでも、正式に文字として突きつけられると、思っていたより効く。健康ほど大きな...
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想像の、その先で

妻のお腹が、いよいよ大きくなってきた。横に座っているだけでも、その重みがこちらまで伝わってくるようだ。男性である私には、その大変さを本当の意味で理解することはできない。たぶん、私が想像している何倍もしんどいのだろう。とにかくお腹が空くらしい...
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ミルクの場所

もう、ミルクは卒業している。夜中に起きて飲ませることもないし、哺乳瓶を洗うこともなくなった。それでも、息子にとってスギ薬局は「ミルクの場所」らしい。オムツや日用品を買いに行くだけなのに、看板を見つけると、指をさして「ミルク」と教えてくる。行...
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今日も胸元で

わたしのパーカーの紐は、いつも湿っている。決して、わたしがだらしなく濡らしているわけではない。犯人は、もちろん息子だ。抱っこをすると、ちょうど紐が目の前にぶら下がる。それをつかんで、口に入れて、噛んで、なめる。どうやら、それが彼なりの楽しみ...
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妻のメガネと、息子

妻のメガネが、狙われている。一日の終わり、妻がコンタクトを外した瞬間から、戦いは始まる。相手は息子だ。目的は明確。メガネ。小さな手が、ためらいなく伸びてくる。妻はそれを避け、角度を変え、体をひねって応戦する。私は少し離れたところで、その攻防...
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今日は今日なりに

「今度、友達とランチに行ってくるね」その一言は、つまり半日ワンオペを意味する。当日になって、その事実をあらためて噛みしめた。外は雨。しかも、なかなかの本降り。やんちゃ盛りの息子と穏やかに過ごすには、公園がいちばんいい。体力も使うし、気分も発...
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チョッキン、チョッキン

チョッキン、チョッキン。この呪文が聞こえはじめると、部屋の秩序は静かに崩れていく。息子がハサミを覚えた。使い方を教えた覚えは、たぶんある。危なくないように、ゆっくり、一緒に。そのはずだった。気づけば、広告。お絵かき帳。封筒。紙であれば、だい...