
息子には二人の相棒がいる。
正確には、二枚の相棒だ。
ある日を境に、
肌身離さず一緒にいる。
それは、私の使い古された
綿100%のTシャツ。
犬と猫のプリントがされている。
気がつくと、
「ワンワン」「ニャンニャン」と言いながら、
もう腕の中にある。
当然、消耗も激しい。
匂いも、すぐに出る。
洗濯機に入れようとすると、
「ワンワンニャンニャン」と泣き叫ぶ。
奪われる、というより、
引き離される、という感じだ。
どうやら、簡単には手放せないらしい。
結局、
洗濯機の前で手が止まる。
Tシャツは息子の腕に戻り、
何事もなかったように一日が続く。
その様子を見ていて、
ふと、思い出す。
私にも、
ずっと使い続けたタオルがあった。
色も手触りも覚えていない。
それでも、
なぜか捨てられなかった。
理由は、
今なら分かる気がする。
それは布切れではなく、
時間だったのかもしれない。
今日も相棒は、
息子の腕の中にある。


