赤いピンと緑のピン

これほど公園へ通うようになるとは、独身の頃には想像もしていなかった。

今日も息子を連れ、近所の公園を目指す。

ふと、スマートフォンで地図を開く。

画面には、かつて「お気に入り」として登録した赤いピンが点在している。

地元で人気のラーメン屋。

路地裏のスパイスカレー屋。

その隙間を埋めるように、最近は

「〇〇児童公園」

「△△広場」

そんな名前の緑のピンが増えていた。

環境が変われば、見え方も変わるらしい。

公園に着くと、ブランコのそばで子どもを見守る男性がいた。

見渡せば、平日の昼間だというのに、同じような父親の姿がいくつもある。

私の親の世代が見たら、驚く光景だろう。

「男は外、女は家」

そんな言葉が当たり前だった時代は、少しずつ、けれど確実に遠ざかっている。

ただ、ここに立っているだけだ。

ブランコのそばにいた男性と、軽く会釈を交わす。

息子をブランコに乗せ、背中を押す。

前へ、後ろへ。

仕事か家庭か。

男か女か。

そんな線の引き方自体が、少しずつ曖昧になってきている。

これから先のことは何も思いつかない。

ただ、ここに立ち、

その背中を、押し続けていた。