最後の一口

ああ、

これが最後の一口か。

おいしいものを食べているとき、

ふと訪れるこの感情。

どうやら、

息子ももう持ち合わせているらしい。

例えば、チーズ。

はじめのうちは、

勢いよく食べ進める。

おいしいので、

みるみる量が減っていく。

親としては、

もう少しゆっくり食べてほしい、

などと思っていると、

あるところから急にペースが落ちる。

終わりを、

イメージしたようだ。

そこから、

一口のサイズが小さくなる。

ついには、

指先でつまみ、

さらに前歯でちぎって食べている。

気がつくと、

もう10分以上、

チーズを楽しんでいる。

追加はないことを、

ちゃんと知っている。