妻のお腹が、いよいよ大きくなってきた。
横に座っているだけでも、その重みがこちらまで伝わってくるようだ。
男性である私には、その大変さを本当の意味で理解することはできない。
たぶん、私が想像している何倍もしんどいのだろう。
とにかくお腹が空くらしい。
とにかく眠いらしい。
とにかく、あちこちが痒いらしい。
理屈では説明できない違和感と、体中の痛みが、彼女を休ませてはくれないのだ。
横で何もせずに座っているのは、どうにも座りが悪い。
気の利いた慰めを言えるほど、私は洗練もされていない。
結局、所在なさを持て余した結果として、
目の前のタスクを淡々と消化することになる。
息子を連れて公園へ行く。
掃除機をかける。
冷蔵庫の在庫を眺めて、適当に夕飯の形を作る。
「やってあげている」という高尚な意識はない。
そうでもして体を動かしていないと、どうにも気持ちが落ち着かないのだ。
これで妻の痛みが消えるわけでも、
眠気が取れるわけでもない。
所詮は自己満足であり、
もっと言えばただの気休めだ。
それでも、何もしないよりはマシだろう。
そう自分に言い聞かせて、今日も一つずつ用事を片付ける。
いつか無事に産み終えたとき。
心の中で、ほんの少しだけ自分を労っても罰は当たらない気がする。
いつか、妻が答えをくれるだろう。


