
ニャンニャンが好きだ。
見つけると、
「ニャンニャン」と言ってうれしそうにする。
にゃーお、と鳴き声も真似する。
ただし、
遠くから眺めるだけ。
近づこうとはしない。
ある日、
人懐っこいニャンニャンが現れた。
穏やかで、
何をされても動じなさそうな空気。
それを察したのか、
息子が少しずつ近づいていく。
距離をはかりながら。
まず、
私の手を引っ張る。
「さわって」。
断ると、
次は棒を持ち出す。
それはさすがに止めた。
猫は、
動じない。
私が触ってみる。
すると安心したのか、
息子も自分の意思で触った。
しばらくして、
調子に乗ったところで、
「シャー」。
一瞬で、
息子は離れた。
ニャンニャンは好き。
でも、
距離は大事。
そのことを、
誰に教わるでもなく、
体で覚えた一日だった。


