
出産を控え、わが家も一時保育を利用することにした。
――と書くと、「へぇ、便利な制度だね」で終わりそうだが、ところがどっこい、である。
正直に言おう。
「1日だけヨロシクね!」で済むと思っていた。
甘かった。
まずは登録。
書類、書類、また書類。
父の出番はサイン係くらいだろう、と高をくくっていたら、これが違った。
生活リズム。好きな遊び。苦手なこと。
2歳児のプロフィールを、ここまで真面目に言語化したことがあっただろうか。
改めて向き合うと、意外と知らないこともある。
さらに持ち物。
オムツ一枚一枚に名前。
着替えにも名前。
タオルにも名前。
なるほど。
世の中で「お名前シール」が売れるわけだ、と妙に腑に落ちる。
極めつけはアレルギーの確認。
証明のために病院へ。
「子どもを預ける」という行為の裏側には、これだけの段取りがあるのかと、今さらながら思い知る。
普段から利用しているご家庭は、きっと流れ作業のようにこなすのだろう。
しかし、わが家はスポット参戦。
右も左もわからない。
それでも準備をしながら思う。
これだけ手間をかけるのは、子どもを守るためなのだ、と。
時代を少しだけアップデート中。
「預ける=楽」ではなく、
「預けるまでが大仕事」。
今日もせっせと名前を書きながら、父は静かに、現代社会を学んでいる。

